4. ダビデ王は神殿に入り、祭司しか食べられない供え物のパンを、みんなで食べたではないですか。 王でさえ、おきてを破ったわけです。
5. また、神殿で奉仕をする祭司は、安息日に働いてもよい、と聖書に書いてあるのを、読んだことがないのですか。
6. ことわっておきますが、このわたしは、神殿よりもずっと偉大なのです。
7. もしあなたがたが、『わたしは供え物を受けるより、あなたがたにあわれみ深くなってほしいのです』という聖書のことばをよく理解していたら、罪もない人たちを、とがめたりはしなかったはずです。
8. 安息日といえども、天から来たわたしの支配下にあるのですから。」
9. このあとで、イエスは会堂にお入りになりました。
10. ふとごらんになると、そこに、片手の不自由な男がいます。 これ幸いとばかり、パリサイ人たちは、「安息日に病気を治してやっても、おきてに違反しないでしょうか」と尋ねました。 それは、イエスがきっと「さしつかえない」と答えるだろうから、そうしたら逮捕しよう、という計略でした。
11. ところが、イエスの答えは違いました。 「あなたがたが、羊を一匹飼っていたとします。 ところが、その羊が安息日に井戸に落ちてしまった。 さあ、どうしますか。 もちろん、すぐに助けてあげるでしょう。
12. 人間の値打は、羊などとは、比べものになりません。 だから、安息日に良いことをするのは、正しいことなのです。」
13. それからイエスは、片手の不自由な男に、「手を伸ばしなさい」と言われ、彼がそのとおりにすると、手はすっかりよくなりました。
14. そこでパリサイ人たちは、どうにかしてイエスを逮捕し死刑にしようと、集まって陰謀を巡らしました。
15. しかし、それに気づいたイエスは、いち早く会堂を抜け出されました。 すると、大ぜいの人がついて来たので、その中の病人をみな治されました。
16. そして彼らに、この奇蹟のうわさを言い広めないようにと、くれぐれも注意なさいました。