3. 「陛下、どうして悲しまずにおられましょう。 先祖たちの眠る町が廃墟となり、門も焼け落ちたままだと申しますのに。」
6. 「して、どのくらい行っているのか。 いつ戻ってまいるのじゃ。」 王は、かたわらの王妃ともどもお尋ねになりました。こうして、王の承諾を得たのです。 さっそく、私は出発の日取りを決めました。
7. このほかにも、私は王に無心を願い出ました。 「もしよろしければ、ユーフラテス川以西の知事あての手紙を賜わり、途中、その国内を通らせてくれるよう、お取り計らいください。
8. また、王室の森林管理人アサフへも手紙を賜わり、神殿付近の城門の梁と、城壁と、私の住まいを建てる材木を、提供させていただけませんでしょうか。」神様の深いお恵みのおかげで、願いはかなえられました。
9. ユーフラテス川西岸まで来ると、私は知事に王の手紙を渡しました。 ついでですが、王は私に警護の将校と騎兵をつけてくれていたのです。
10. ところが、私が来たことを知り、激怒した人物がいました。 ホロン人サヌバラテと、アモン人の役人トビヤです。 この二人は、だれでもイスラエルに手を貸そうとする者には、容赦しなかったからです。
13. 谷の門を通り、竜の泉に向かい、糞の門まで行き、くずれた城壁、焼け落ちた門を調べました。
16. 町の役人たちは、私が出かけたことも、なぜ、そんなことをしたのかも知りませんでした。 この計画を、政府や宗教関係の要人にも、実際の工事にあたる人々にも、まだ打ち明けていなかったからです。
17. しかし、今や、私は人々に呼びかけました。 「諸君! この町の惨状に目を向けてくれ。 荒れ果てたままで、門も焼け落ちている。 さあ、もう一度エルサレムの城壁を築こうではないか。 われわれの町の恥をぬぐい去ろう。」
18. 私は、神様がいだかせてくださった願いや、王との話し合いのいきさつ、それに王の同意を取りつけたことなどを話しました。反応はすぐにありました。 「それはよかった。 さあ、城壁を建て直そうじゃないか。」 こうして、工事が始まったのです。
19. ところが、この話を耳にしたサヌバラテやトビヤ、アラブ人ゲシェムらは、せせら笑いました。 「何をするっていうんだ。 王様に反逆するつもりか。」
20. しかし、私は答えました。 「天の神様がお助けくださいます。 神様にお従いしている私たちは、必ずこの城壁を再建してみせます。 口出ししないでいただきたい。」