1-2. 四か月ほどたった四月のある日、私が王にぶどう酒をついでおりますと、王がおことばをかけてくださったのです。 「浮かぬ顔をしておるな。 ぐあいでも悪いのか。 まるで大きな悩みでもしょい込んだようじゃぞ。」 その時まで、私は王の前では、いつも明るく振る舞っているつもりでした。 どぎまぎしながらも、こう答えました。
3. 「陛下、どうして悲しまずにおられましょう。 先祖たちの眠る町が廃墟となり、門も焼け落ちたままだと申しますのに。」
4-5. 「ふむ、いったいどうすれば、心が晴れるのじゃ。」私は、すかさず天の神様に祈ってから答えました。 「もし、陛下のおこころにかなって、お許しいただけますなら、私めをユダに遣わし、先祖の町を再建させてください。」
6. 「して、どのくらい行っているのか。 いつ戻ってまいるのじゃ。」 王は、かたわらの王妃ともどもお尋ねになりました。こうして、王の承諾を得たのです。 さっそく、私は出発の日取りを決めました。
11-12. エルサレムに着いて三日後、私は二、三の者だけを連れて、夜こっそり抜け出しました。 神様が私の心に示してくださったエルサレムに関する計画は、自分ひとりの胸のうちに秘めて、だれにも話していなかったからです。 私はろばに乗り、ほかの者は歩きました。
14-15. 次いで、泉の門と、王の池へ向かいましたが、私の乗ったろばの通れる場所がありませんでした。 そこで、町の回りを巡り、流れをさかのぼり、城壁を調べて、再び、谷の門から中に入りました。