1. ニネベよ。 おまえの終わりが来た。 もうすでに敵に囲まれている。 警鐘を鳴らせ。 城壁に人を配置し、守りを固め、全力を尽くして敵の侵入を見張れ。
2. 神様の国民の地は、おまえの攻撃で破壊され、めちゃめちゃにされてしまった。 だが、神様は、彼らの誉れと力とを回復してくださる。
3. 盾は太陽の光を受け、真っ赤に輝いている。 さあ、攻撃開始だ。 その緋色の軍服を見よ。 きらきら輝く戦車が横に並んで進んで来る。
4. おまえの戦車は、たいまつのような光を放ちながら、やみくもに通りを突っ走り、狂ったように広場を走り抜ける。
5. 王は家来を呼び集める。 彼らはあわてふためいてつまずきながら、防御柵を設けようと、城壁に向かって走る。
6. だが、時すでに遅し。 水門は破られた。 ぞくぞくと敵が進入して来る。 宮殿はまさに上を下への大騒ぎだ。
7. ニネベの女王は通りに引き出され、奴隷として連れ去られる。泣き悲しむ侍女たちもいっしょだ。 聞け、彼女たちが鳩のように泣く声と、悲しんで胸を打ちたたく音を。
8. ニネベは水のもる水槽のようだ。 だれもかれも町を見捨てて、こっそり逃げ出す。 呼び戻すことはできない。 「止まれ。 戻れ」と叫んでも、振り向こうともせず、走って行く。
9. 「それ、銀を奪え! 金もだ! 財宝はいくらでもあるぞ!」山のような富も、無残にはぎ取られてしまう。