3. あたりを見回すと、川岸に二本の長い角を持った雄羊が立っていました。 よく見ると、一本の角が伸び始め、もう一本の角より長くなりました。
4. この雄羊は、道をふさぐものを片っぱしから突きのけて進みました。 だれも立ち向かえず、被害者を助けることもできません。 雄羊は思いのままに振る舞い、ますます尊大になっていきました。
5. これはどうしたことかといぶかっていると、突然、一頭の雄やぎが、地を飛ぶように早く、西方から姿を現わしました。 この雄やぎには、目と目の間に一本の大きな角がありました。
6. そして、二本の角がある雄羊に向かって猛烈な勢いで突進して行きました。
7. 雄羊に近づくと、ますます怒り狂い、激しくぶつかって、二本の角をへし折ってしまいました。 雄羊はどうすることもできず、雄やぎに打ち倒され、踏みつけられるままでした。 雄羊を救い出そうとするものは、どこにもいなかったからです。
8. 勝利者となった雄やぎは高慢になり、強大な力を誇るようになりましたが、突然、その権力の絶頂で、大きな角がへし折られました。 すると、その折れた所に、四方に伸びた四本の角が生えてきたのです。
9. そのうちの一本は、初めは伸びるのが遅かったのですが、そこから小さな角が生え、やがて非常に強くなり、南と東とを攻撃し、イスラエルに戦いをいどみました。
10. 彼は神様の国民と戦って、その指導者たちの幾人かを打ち倒しました。
11. そればかりか、天の軍勢の主にさえ挑戦して、その方に毎日ささげられるいけにえを取り上げ、その神殿を汚したのです。
12. それでも、天の軍勢は、このような悪行にとどめを刺すことを禁じられていました。 その結果、真理と正義は姿を消し、悪が我が物顔に振る舞っていたのです。