2-4. 王は、ぶどう酒を飲みながら、ずっと以前、ネブカデネザル王の治世に、エルサレムの神殿からバビロンに持って来た、金と銀の杯のことを思い出しました。さっそく、この聖なる杯を宴席に持って来るよう命じました。 杯が運ばれて来ると、王と王子たち、妻とそばめたちは、金、銀、青銅、鉄、木、石で作られた偶像のために、その杯で乾杯したのです。
15. 余の知者や占星学者どもは、あの壁に書かれた文字を読み、その意味を解き明かそうとしたが、できなかった。
16. おまえは、どんな難問も解くことができるそうだな。 この文字を解き明かしてくれるなら、紫の衣を着せ、首に金の鎖をかけ、この国で第三の支配者としてやるが、どうだ。」
17. 「ありがたい仰せではございますが、その褒美は、ご自分のために取っておかれるか、だれかほかの者におやりください。 とにかく、壁の文字の意味はお教えします。
18. 陛下。 いと高き神様は、先王ネブカデネザルに、偉大な王国と、それにふさわしい威厳と光栄とをお与えになりました。
19. その威厳はたいへんなもので、世界の国々はみな恐れのあまり、王の前に震えおののいたものです。 気に入らない者は殺し、気に入る者は生かす、というように、気の向くままに人を用いたり、捨てたりなさいました。
20. こうして、王の心がおごり高ぶった時、神様は王をその位から退け、栄光を奪っておしまいになったのです。
21. 王は、宮殿から野に追われ、心も感情も動物と同じようになり、野ろばとともに住み、牛のように草を食べ、体は天の露にぬれるしまつでした。 このことを経験して、王も、いと高き神様が人間の国々を支配し、みこころにかなう者に国々を支配する権威をお与えになることを、ついに悟ったのです。
22. その後継者である王よ。 陛下は、そのことをみな知っていながら、へりくだることをなさいませんでした。
23. それどころか、天の神様を侮り、神の神殿の杯をこんな所に持って来させました。 陛下も、高官たちも、王妃やそばめたちも、その杯でぶどう酒を飲み、金、銀、青銅、鉄、木、石で作った、見ることも、聞くことも、知ることもできない神々をほめたたえました。 こうして、陛下にいのちの息を与え、陛下の人生を手中に握っておられる神様を、ほめたたえなかったのです。
24-25. それで神様は、手の指を送り、この文字を書かせたのです。 それは『メネ、メネ、テケル、ウ・パルシン』と読みます。
26. 意味はこうです。『メネ』は数えられた、という意味で、神様が陛下の治世の日数をかぞえて、それがもう終わったということです。
27. 『テケル』ははかりで量られた、という意味で、陛下が神様のはかりで量られ、その審査に落ちたということです。
28. 『パルシン』は分割された、という意味で、陛下の王国が分割されて、メディヤとペルシヤに与えられるということです。」
29. それから、ベルシャツァル王の命令で、ダニエルは紫の衣を着せられ、首に金の鎖をかけられました。 こうして、王国で第三の支配者と認められたのです。
30. その夜のうちに、ベルシャツァルは殺され、
31. メディヤ人ダリヨスが都に入り、その国を支配するようになりました。 時に、ダリヨスは六十二歳でした。