2. いと高き神様が、余に行なわれた不思議なみわざについて、知らせたいと思う。
10-11. 余は野原に立っている大木を見た。 その木は天へ向かってどんどん伸び、ついに世界中の人々が、どこからでも見えるほどになった。
12. 葉は青々と茂り、枝にはすべての人が食べても足りるほど、実がたわわになっていた。 野の動物はその木陰にいこい、鳥はその枝を住みかとし、全世界がその木によって養われた。
13. 以上のようなことを夢で見ていると、神様の使いの一人が天から降りて来るのが見えた。
14. その御使いはこう叫んだ。 『その木を切り倒し、枝を切り払え。 また、葉を振り落とし、実をまき散らせ。 動物を木陰から、鳥を枝から追い払え。
15. だが、切り株と根は残し、鉄と青銅の鎖をかけて、野の若草の中に置け。 天の露にぬれさせ、野の動物といっしょに草を食べさせるのだ!
16. 七年間、人の心ではなく動物の心を持たせるがよい。
17. これは見張り人たちの宣告であり、聖なる者たちの命令である。 このように宣言するのは、いと高き神が、世界の国々を支配し、みこころのままに、人間の中で最もへりくだった者にさえ、その国々をお与えになるということを、全世界が知るためである。』
18. ベルテシャツァルよ。 以上が余の見た夢だ。 さあ、その意味を教えてくれ。 おまえのほかに、教えてくれる者はいない。 この王国で最も知恵のある者もだめだ。 だが、おまえには聖なる神の霊が宿っているので、教えることができる。」
19. その時ダニエルは、しばらくの間、その夢の意味に度肝を抜かれ、おびえてひと言も口をきけなかった。 ついに、余が口をひらいた。 「ベルテシャツァル、恐れることはない。 夢の意味を話してくれ。」ダニエルは答えた。 「この夢の示していることが、陛下にではなく、陛下の敵にあてはまるのならよろしいのですが……。
20-22. 実は、陛下が夢でご覧になりました木、青々とした葉をいっぱい茂らせ、みんなが食べても足りるほど実をたわわにつけ、その陰には野獣が住まい、枝には鳥がいっぱいに宿り、世界中の人々に見えるように天にまで達した高い木は、陛下ご自身でございます。 陛下は強く、大きくなり、その偉大さは天にまで達し、その支配は地の果てにまで及びます。