4. だが、その権力の絶頂で、王国は崩壊し、四つの弱小国に分割される。 しかも、それらの弱小国も、王の息子たちのものとはならない。 大帝国は分割して、ほかの者たちに与える。
5. そのうちの一人、エジプトの王は権力を増すが、高官の一人が反逆して王国を乗っ取り、さらに強大なものにする。
6. 数年後、シリヤの王とエジプトの王とは同盟を結ぶ。 エジプト王の娘が、和睦のしるしとして、シリヤの王に嫁がされる。 だが、彼女はやがてシリヤの王に対する影響力を失い、彼女自身の期待は言うに及ばず、父親であるエジプト王をはじめ、大使や、彼女が産んだ子供の期待をも踏みにじる結果となる。
7. だが、彼女の兄弟がエジプトの王になると、軍隊を率いてシリヤの王と戦い、ついに打ち負かす。
8. エジプトに凱旋する時、彼はシリヤの偶像の神々や高価な金銀の食器類を、戦利品として持ち帰る。 そののち何年間か、彼はシリヤの王にかまわない。
9. そうこうするうち、シリヤの王は短期間エジプトを侵略するが、すぐ自分の国へ帰ってしまう。
12. この大勝利に気をよくした王は、さらに幾千幾万の敵を打ち殺すが、その勝利は長続きしない。
13. 数年して、シリヤの王は、かつて敗北を喫した時よりもはるかに装備された大軍を率いて、攻め返す。
14. その時は、他の国々もエジプト攻撃に加わる。 さらに、あなたの同胞であるユダヤ人の暴徒もそれに加わるが、この暴挙は失敗に終わる。
15. それから、シリヤの王とその同盟国の大軍が攻め寄せ、エジプトの要塞化された町を包囲し、ついに占領する。 エジプトが誇る精兵も打ち負かされる。
16. シリヤの王は抵抗を受けずに攻め進み、だれもそれを食い止めることができない。 彼はまた、『栄光の国』イスラエルに踏み込み、そこを略奪する。
17. 全エジプトを征服しようとするシリヤの王の策略はこうである。 彼もエジプトの王と同盟を結び、娘を政略結婚させ、その国を内部からくつがえそうとする。 だが、計画は失敗する。
18. そののち、シリヤの王は沿岸の島々に目を向け、その多くを征服する。 だが、一人の将軍がその攻撃を阻み、不面目な退却を余儀なくさせる。
19. 王はすごすごと国へ引き返すが、途中で災難に会い、姿を消す。
20. 彼の後継者は、イスラエルに収税官を派遣した王として知られるが、ごく短期間、王座にあるだけで、戦争にも暴動にもよらず、奇妙な死に方をする。
21. その跡を継ぐ王は、王家の血筋に関係のない悪者で、国の危機に乗じて、巧言と陰謀で王国を奪い取る。