14. その時は、他の国々もエジプト攻撃に加わる。 さらに、あなたの同胞であるユダヤ人の暴徒もそれに加わるが、この暴挙は失敗に終わる。
15. それから、シリヤの王とその同盟国の大軍が攻め寄せ、エジプトの要塞化された町を包囲し、ついに占領する。 エジプトが誇る精兵も打ち負かされる。
16. シリヤの王は抵抗を受けずに攻め進み、だれもそれを食い止めることができない。 彼はまた、『栄光の国』イスラエルに踏み込み、そこを略奪する。
17. 全エジプトを征服しようとするシリヤの王の策略はこうである。 彼もエジプトの王と同盟を結び、娘を政略結婚させ、その国を内部からくつがえそうとする。 だが、計画は失敗する。
18. そののち、シリヤの王は沿岸の島々に目を向け、その多くを征服する。 だが、一人の将軍がその攻撃を阻み、不面目な退却を余儀なくさせる。
19. 王はすごすごと国へ引き返すが、途中で災難に会い、姿を消す。
20. 彼の後継者は、イスラエルに収税官を派遣した王として知られるが、ごく短期間、王座にあるだけで、戦争にも暴動にもよらず、奇妙な死に方をする。
21. その跡を継ぐ王は、王家の血筋に関係のない悪者で、国の危機に乗じて、巧言と陰謀で王国を奪い取る。
22. 彼の前から、祭司の指導者を含む、すべての反対者が一掃される。
23. この王の約束は反古同然で、そのやり口は最初から欺きによる。 ほんの一にぎりの側近によって、彼は強大な権力者にのし上がる。
24. 彼は不意に、その国の最も肥沃な地域に侵入し、だれもしたことがないようなことをする。 富める者たちの富と財産を取り上げて、味方の者に気前よく与える。 その領土内の強力な要塞をうまく包囲し、攻略する。 だが、これも短期間のことだ。
25. それから、彼は勇気を奮い起こし、大軍を率いてエジプトを攻める。 エジプトも強力な軍隊をもって応戦するが、どうすることもできない。 エジプトに対する陰謀が功を奏するからだ。
26. エジプト王の身内の者たちが彼に反逆し、軍隊も持ち場を捨て、多くの人が殺される。
27. この二人の王は、会談の席でも互いにだまし合い、陰謀をめぐらし合う。 だが、それで事情が変わるわけではない。 神様の定めた時がくるまで、どちらも成功することはない。
28. シリヤの王はばく大な富を携えて国へ帰って行くが、真っ先にイスラエルに進撃して、これを滅ぼそうとする。
29. それから、定められた時に、すでに脅しをかけていたように、再び南へ軍隊を進めるが、今度は以前のようにはいかない。
30-31. というのも、ローマの軍艦におびえて退却し、国へ逃げ帰る破目になるからだ。 退却を余儀なくされた王は腹を立て、再びエルサレムを襲って聖所を汚し、毎日のささげ物をやめさせ、神殿の中で偶像を礼拝させるようにする。 エルサレムを去る時、王は、父祖の信仰を捨ててしまった不信仰なユダヤ人を、権力の座につかせる。
32. 王は、神様を憎む連中を巧言をもってあやつり、自分の側につかせようとする。 だが、神様を知る人々は勢力を増し、大きなことを行なうようになる。