11. その時、その方の声が聞こえました。 「さあ、だれよりも神様に愛されているダニエルよ、立ちなさい。 これから語ることを、よく聞くがいい。 神様が私を、あなたのところへ、お遣わしになったのだ。」 そこで私は、まだ恐怖で震えながらも、立ち上がりました。
12. その方は続けました。 「ダニエル、恐れることはないぞ。 あなたが神様の御前で断食し、幻の意味を悟ることができるように祈り求めた最初の日に、あなたの願いは天において聞かれ、すでに答えられているからだ。 その日に、私はあなたに会うため、ここに遣わされていたのだ。
13. ところが、二十一日間も、ペルシヤを支配する巨大な悪の霊が、行く手に立ちふさがっていた。 その時、天の軍勢の最高指揮官の一人ミカエルが助けに来てくれたので、私はペルシヤの霊的支配者を打ち破ることができたのだ。
14. いま私は、終わりの時に、あなたの同胞であるユダヤ人に起こることを知らせるために、ここに来ている。 もっとも、この預言の実現はまだ何年も先のことだ。」
15. このことばを聞いている間ずっと、私はうつむいて、ひと言もしゃべることはできませんでした。
16. ちょうどその時、人の姿をした方がくちびるに触れてくれました。 すると、再び話せるようになり、天から遣わされた方に申しました。 「主よ。 私はあなた様の出現に恐れおののき、力も抜けてしまいました。
17. 私のような者が、どうしてあなた様とお話しできましょう。 力が抜けて、息をするのがやっとです。」
18. その時、もう一度その方が私に触れてくれました。 すると、なんだか元気を取り戻したような気がしたのです。
19. その方は言いました。 「神様はあなたをだれよりも愛しておられる。 だから、恐れるな。 気を落ちつけて、しっかりするのだ。」このことばを聞くと、急に力がわいてきました。 「主よ。 どうぞ、先を続けてください。 あなた様が力づけてくださったので、もう心配御無用です。」
20-21. 「なぜ私があなたのところへ来たか、知っているか。『未来の書』に書かれていることを知らせるために、ここにいるのだ。 それから、ここを去り、再びペルシヤの君主と戦うために帰って行く。 そのあとで、ギリシヤの君主とも戦う。 あなたの同胞イスラエルを守る天使ミカエルしか、私を助けてくれる者はいない。