サムエル記下 20:3-21 リビングバイブル (JLB)

3. 殿に着くと、王はさっそく、留守を守らせていた十人のそばめを別棟に移し、軟禁させました。 女たちの生活は保証されていましたが、王が通うことは、二度とありませんでした。 女たちは死ぬまで、未亡人同様に暮らしたのです。

4.  それから、王はアマサに、三日以内にユダの軍隊を召集し、結果を報告せよ、と命じました。 

5. アマサはユダの兵士を動員するために出て行きましたが、約束の三日間でそれを果たすことができませんでした。

6.  それで、ダビデはアビシャイに指令しました。 「あのシェバのやつを放っておくと、アブシャロムより手に負えなくなるぞ。 急げ。 警護の兵を連れて追いかけるんだ。 わしらの手の届かない、城壁のある町に逃げ込まれたら、どうしようもないぞ。」

7.  アビシャイはヨアブとともに、ヨアブ配下の精兵とダビデ王直属の護衛兵を率いて、シェバを追いました。 

11.  ヨアブ配下の若い将校が、アマサの従者に叫びました。 「ダビデ王に味方するなら、ヨアブ様について来るんだな!」

12.  血まみれのアマサは、道の真ん中に転がっていました。 やじうまが大ぜい集まって来たので、将校たちは死体を野原へ運び、着物をかけました。 

13. 死体を片づけると、みんなはシェバを捕らえようと、ヨアブのあとを追いました。

14.  一方、シェバはイスラエル全土を駆け抜けて、ベテ・マアカにあるアベルの町へ行き、自分が属するビクリ氏族に、総決起を呼びかけていました。 

15. しかし、追いついたヨアブ軍は町を包囲し、城壁に向かってとりでを築きました。 城壁を打ちこわそうというのです。

16.  その時、町の中から、一人の賢明な女が呼びかけました。 「もし、ヨアブ様、ちょっとここまでおいでくださいまし。 お話し申し上げたいことがございます。」

17.  ヨアブが近づいて行くと、女は、「ヨアブ様ですね」と念を押しました。「いかにも、わしがヨアブだ。」

18.  「実は、昔から『物事に決着をつけたければ、アベルの人に聞け』と申すんでございます。 いつも、私どものお勧めすることが、理にかなっているようでございましてね。 

19. 私どもの町は、昔から平和を愛し、イスラエルに忠誠を尽くしてまいりました。 今、この町を攻めるおつもりですとか。 どうして、この神様の町を滅ぼそうとなさるんですか。」

20.  「そんなつもりでは決してないのだ。 

21. わしらの目あては、エフライム山地出身のシェバという男だけでな。 そいつはダビデ王に背いたのだ。 やつさえ引き渡してもらえれば、何の手出しもせずに引き揚げるさ。」「かしこまりました。 その男の首を、城壁の上から投げ落としてご覧に入れましょう。」

サムエル記下 20