2-3. そこで、ダビデと二人の妻、および家来とその家族全員は、そろってヘブロンに移りました。 二人の妻というのはイズレエル出身のアヒノアムと、カルメル出身のナバルの未亡人アビガイルでした。
19. 逃げるアブネルを追いかけました。 ほかのものには目もくれず、ひとり逃げるアブネルを、一心不乱に追い続けました。
20. アブネルは振り向きざま、追いかけて来る敵を見て、「アサエルではないか」と呼びかけました。「そうだ。」
21. 「ほかのやつを追え!」と、いくらアブネルが言っても、アサエルは耳を貸さず、なおも追撃の手をゆるめません。
22. もう一度、アブネルは叫びました。 「あっちへ行け。 もしおまえを殺すことにでもなれば、おまえの兄ヨアブに顔向けができんわい!」
23. それでも、向きを変えようとしません。 とうとうアブネルは、槍の石突きをアサエルの下腹部に突き刺しました。 なんと、槍は背中まで刺し貫いたではありませんか。 アサエルはばったり倒れ、息絶えました。 彼が死んでいる有様を見た者はみな、かたずを呑んで見守りました。
24. 今や、ヨアブとアビシャイがアブネルを追う番です。 ギブオンの荒野の道沿いにあるギアハの近くのアマの丘まで来た時、ちょうど太陽が沈み始めました。
25. ベニヤミン部族から召集されたアブネルの一隊は、丘の上で隊を整えていました。
26. アブネルは、ふもとのヨアブに向かって叫びました。 「いつまでも殺し合いを続けてはいられん。 いつになったら、同胞同士で争うのをやめさせるつもりだ。」
27. ヨアブは答えました。 「神様に誓うが、もしおまえがそう言ってくれなければ、われわれはみな、あすの朝まで引き返しはしなかっただろう。」
28. ヨアブがラッパを吹くと、兵士たちはイスラエル軍の追跡をぴたっとやめました。
29. その夜、アブネルと兵士たちは、ヨルダン渓谷づたいに退却し、ヨルダン川を渡り、翌朝まで歩き続けて、ようやくマハナイムに帰り着きました。