サムエル記下 14:4-23 リビングバイブル (JLB)

4.  女は王の前に出ると、床にひれ伏して哀願しました。 「王様! どうぞ、お助けくださいまし!」

7. すると、親せき中の者が寄ってたかって、残った息子を引き渡せと申すんでございます。 兄弟を殺したような奴は生かしておけないと言うんです。 でも、そんなことになれば、跡継ぎが絶えてしまいます。 夫の名も、この地上から消え去ってしまいます。」

8.  「わかった。 任せておけ。 だれもおまえの息子に手出しできんように、取り計らってやるぞ。」

9.  「ありがとうございます、陛下。 こうしてお助けくださったことで、もし陛下が責めをお受けになるようなことがございましたら、みな私の責任でございます。」

10.  「そんな心配はいらん。 つべこべ言う者がおれば、わしのもとへ連れて来い。 二度と文句が言えんようにしてやる。」

11.  「どうか、神かけて、お誓いくださいまし。 息子には指一本ふれさせやしない、と。 これ以上、血を見るのはたまりません。」「神かけて誓おう。 おまえの息子の髪の毛一本もそこなわれはせんとな。」

12.  「どうぞ、もう一つだけ、お願いを聞いてくださいまし。」「かまわぬ。 申すがよい。」

13.  「陛下、どうして、私にお約束くださったことを、神様の国民ぜんぶに、当てはめてくださらないのですか。 ただ今のような裁きをつけてくださった以上、陛下はご自分を有罪となさったのでございます。 と申し上げますのも、追放されたご子息様のお戻りを、拒んでおられるからでございます。 

14. 私どもはみな、いつかは死ななければなりません。 人のいのちは、地面にこぼれた水のようなもので、二度と集めることはできません。 もし陛下が、追放中のご子息様をお迎えになる道を講じなさいますなら、神様の末長い祝福がございますでしょう。 

17. そして、安らかな生活を取り戻させてくださるだろう』と思ったのです。陛下は神様の使いのようなお方で、善悪を正しくお裁きになれると存じております。 どうぞ、神様が陛下とともにおられますように。」

18.  「一つだけ尋ねるが、よいか?」「どうぞ、おっしゃってください。」

19.  「おまえを差し向けたのは、ヨアブではないか。」「陛下。 こうなれば、隠しようがございません。 仰せのとおり、ヨアブ様が私を遣わし、どう申せばよいかまで指示してくださいました。 

20. なんとか事態をよくしようと、あの方の取り計らわれたことです。 陛下は神様の使いのように賢くあられ、また、この地上のすべての事をご存じでいらっしゃいます。」

21.  そこで王は、ヨアブを呼び寄せ、「わかった。 行って、アブシャロムを連れ戻してまいれ」と命じたのです。

22.  ヨアブは王の前にひれ伏し、祝福のことばを述べました。 「今ようやく、陛下が私に情けをかけていてくださるとわかりました。 この願いをお聞き入れくださったからです。」

23.  ヨアブはゲシュルに馳せ参じ、アブシャロムをエルサレムに連れ帰りました。

サムエル記下 14