サムエル記下 14:12-25 リビングバイブル (JLB)

2-3. そこで、知恵者として評判の高いテコアの女を呼び寄せ、王に会ってくれないか、と頼みました。 そして、どういうふうにして会えばいいかを指示したのです。「喪中の女を装うのだ。 喪服をまとい、髪を振り乱し、長いこと深い悲しみに打ちひしがれてきたふりをするのだ。」

12.  「どうぞ、もう一つだけ、お願いを聞いてくださいまし。」「かまわぬ。 申すがよい。」

13.  「陛下、どうして、私にお約束くださったことを、神様の国民ぜんぶに、当てはめてくださらないのですか。 ただ今のような裁きをつけてくださった以上、陛下はご自分を有罪となさったのでございます。 と申し上げますのも、追放されたご子息様のお戻りを、拒んでおられるからでございます。 

14. 私どもはみな、いつかは死ななければなりません。 人のいのちは、地面にこぼれた水のようなもので、二度と集めることはできません。 もし陛下が、追放中のご子息様をお迎えになる道を講じなさいますなら、神様の末長い祝福がございますでしょう。 

15-16. このはしためが、息子のことでお願いに上がりましたのも、私と息子のいのちが、脅かされていたからでございます。 私は、『きっと王様は、訴えを聞き入れ、私どもをイスラエルから消し去ろうとしている者の手から、助け出してくださるだろう。 

17. そして、安らかな生活を取り戻させてくださるだろう』と思ったのです。陛下は神様の使いのようなお方で、善悪を正しくお裁きになれると存じております。 どうぞ、神様が陛下とともにおられますように。」

18.  「一つだけ尋ねるが、よいか?」「どうぞ、おっしゃってください。」

19.  「おまえを差し向けたのは、ヨアブではないか。」「陛下。 こうなれば、隠しようがございません。 仰せのとおり、ヨアブ様が私を遣わし、どう申せばよいかまで指示してくださいました。 

20. なんとか事態をよくしようと、あの方の取り計らわれたことです。 陛下は神様の使いのように賢くあられ、また、この地上のすべての事をご存じでいらっしゃいます。」

21.  そこで王は、ヨアブを呼び寄せ、「わかった。 行って、アブシャロムを連れ戻してまいれ」と命じたのです。

22.  ヨアブは王の前にひれ伏し、祝福のことばを述べました。 「今ようやく、陛下が私に情けをかけていてくださるとわかりました。 この願いをお聞き入れくださったからです。」

23.  ヨアブはゲシュルに馳せ参じ、アブシャロムをエルサレムに連れ帰りました。

24.  王は、「あれの住まいに連れて行け。 ここに来させるには及ばん。 会いたくないのだ」と申し渡しました。

25.  ところで、イスラエル中を捜しても、アブシャロムほど、男らしくて顔立ちのよい人物はいませんでした。 また彼ほど、そのことでほめそやされた者もいなかったのです。 

サムエル記下 14