8. エジプトから連れ出して以来、今までずっと、彼らはいつもわたしを捨て、ほかの神々のあとを追ってばかりいた。 まさにそれと同じことを、今しようとしているのだ。
9. 願うとおりにしてやるがよい。 ただし、王を立てることがどういうことか、よくよく警告しておいてくれ。」
10. サムエルは神様のおことばをそっくり伝えました。
11. 「あなたがたの言うとおり王を立てれば、息子は王の軍隊に取られ、王の戦車の前を走ることになりかねませんぞ。
12. 中には、戦場に追いやられる者も出るだろう。 そして、残りの者はみな、奴隷のように働かされる。 よいかな、王家の領地を耕し、刈り入れにも無報酬で駆り出され、武器や戦車の部品作りにも動員されるのじゃ。
13. 王はな、娘も取り上げなさるぞ。 料理をこしらえたり、パンを焼いたり、香料を作ったりと、有無を言わせずこき使う。
14. それにな、ぶどう畑やオリーブ畑のうち、いちばん良い場所を王家の所領に差し出さねばならん。
15. 収穫の十分の一は、年貢として、王の直参がたへ納めねばならん。
16. 奴隷や屈強の若者、それに家畜まで、王の私用のために駆り出される。
17. 羊の群れも十分の一を要求されるし、結局、自分たちが奴隷となるわけだぞ。
18. 王を立ててほしいと言ったばっかりに、あとでほえ面かいても、神様は助けてくださらんからな。」
19. それでも人々は、警告に耳を貸そうとしません。「かまいませんとも、王様は欲しいのです。
20. よその国々と同じになりたいのです。 王様が私たちを治め、戦いを指揮してくださるでしょう。」
21. サムエルは人々の反応ぶりを神様に告げました。
22. 神様はまたも、「言うとおりにしてやれ。 王を立ててやるがよい」とお答えになりました。ついにサムエルも承知し、人々を家に帰らせました。