サムエル記上 28:10-21 リビングバイブル (JLB)

10.  そこでサウル王は、裏切るようなことは絶対にしない、と厳粛な誓いを立てました。

11.  とうとう女も承知しました。 「わかったよ、いったいだれを呼び出しゃいいんだい。」「サムエルを呼び出してくれ。」

12.  霊媒の女はサムエルの姿を見たとたん、大声で叫びました。「よくもだましてくれたね。 あんたはサウル王じゃないか。」

13.  「びっくりしないでくれ。 さあ、何が見えるんだ。」「亡霊のような方が地から上って来ます。」

14.  「どんな様子だ。」「外套をまとった老人です。」サムエルです。 サウル王はその前にひれ伏しました。

15.  サムエルは尋ねました。 「どうして、わしを呼び出したりして、わずらわすのか。」「私はもう、途方にくれてしまったのです。 ペリシテ人が攻めて来るのに、神様は私をお見捨てになり、預言者によっても、夢によっても、答えてはくださいません。 思いあぐねて、あなた様をお呼びしたのです。」

16.  「神様がおまえから離れ、敵となってしまわれたのに、なぜ、わしになんぞ尋ねるのじゃ。 

17. 神様は、予告どおりのことをなさったまでですぞ。 おまえから王位を取り去り、ライバルのダビデにお与えになった。 

18. こうなったのもみな、おまえがあの時、アマレクに激しい怒りを向けておられた神様のご命令を、踏みにじったからだ。 

19. よいか、事はそればかりではすまんぞ。 あす、イスラエル全軍は総くずれとなり、ペリシテ人の手で滅ぼされてしまうだろう。 おまえも息子たちも、わしといっしょになるじゃろう。」

20.  サウルは地面に棒のように倒れてしまいました。 サムエルのことばを聞いて、恐怖のあまり卒倒したのです。 それに、まる一日何も口にしていないこともありました。 

21. 女はサウルが錯乱しているのを見て言いました。「王様。 私は、命がけでご命令に従ったんです。 

サムエル記上 28