9. 神様は信仰者を守ってくださいます。しかし、悪者は暗やみに葬り去られます。だれも自力でははい上がれません。
10. 神様に手向かう者は打ちのめされます。天からその人めがけて雷鳴がとどろくのです。神様は地上をくまなくさばき、ご自分が特別に選んだ王にずば抜けた力を授け、油注がれた者にすばらしい栄誉をお与えになるのです。」
11. エルカナとハンナは、サムエルを残してラマへ帰りました。 幼いサムエルは神様に仕える者となり、祭司エリを助けました。
12. ところで、エリの息子たちは、神様をないがしろにする、ならず者でした。
15. 時には、祭壇で脂肪を焼く儀式が行なわれないうちから、例の召使をやって、生の肉をよこせと言うことがありました。 焼き肉にして食べるためです。
16. いけにえをささげている人が、「いくらでもお取りになってけっこうです。 しかし、まず〔おきてどおり〕脂肪をすっかり焼いてしまわなければなりません」と答えると、使いの者はこう言い返すのでした。「いや、たった今ほしいんだ。 つべこべ言うなら、腕ずくでももらうぞ。」
17. こんなふうに、この若い連中は、神様の前に非常に大きな罪を犯したのです。 人々が神様にささげた物を踏みにじるようなまねをしたからです。
18. サムエルはまだほんの子供でしたが、いっぱしの祭司のように小さなリンネルの服を着て、神様に仕えていました。
19. 毎年、母親が小さな上着をこしらえ、持って来てくれたのです。 夫とともに、いけにえをささげにやって来る時のことです。
20. エルカナとハンナが家路につこうとすると、エリは、二人を祝福し、神様にささげた子の代わりに、もっと子供が授かるよう、神様に願い求めてくれました。
21. それで神様はハンナに、三人の息子と二人の娘を授けたのです。一方、神様に仕えながら、サムエル少年はますます成長していきました。
22. エリは、すでに非常な高齢に達していましたが、身辺の出来事については、よくわきまえていました。 例えば、息子たちが神の天幕の入口で仕えている女たちを誘惑したことも、ちゃんと知っていたのです。
26. 一方、サムエル少年は、背丈の面でも、人から愛される点でも、めざましい成長を遂げました。 神様に愛されたことは言うまでもありません。
27. ある日、一人の預言者が来て、エリに神様のお告げを伝えました。「イスラエル国民がエジプトで奴隷だった時、わたしははっきり力を示したではないか。
28. そして、並み居る兄弟同胞の中からおまえの先祖レビを選んで、祭司としたのではなかったか。 その務めは、わたしの祭壇でいけにえをささげ、香をたき、祭司の衣服を着けて仕えることだった。 わたしは、おまえたち祭司にも、いけにえのささげ物をあてがってやったではないか。
29. それなのに、どうして、ささげ物を一人占めしようとするのか。 わたしよりも息子のほうが大事なのか。 よくも親子して、ささげ物の特上品で肥え太ったものだ。
30. それゆえ、イスラエルの神であるわたしは、こう宣言する。 レビ部族の一門であるおまえの家系が常に祭司となる、と約束したのは確かだが、今や、それがいつまでも続くと考えたりしたら、大まちがいだぞ。 わたしは、敬ってくれる者だけを重んじる。 わたしを軽視する者は、こちらでも軽視しよう。
31. よいか、おまえの家系は断絶するのだ。 これ以上、祭司を務めるには及ばん。 家族全員、寿命を全うせずに死ぬのだ。 年老いる者など一人もいない。