4. 自分の上着、よろいかぶと、剣、弓、帯を与えて、盟約を結んだのです。王は、今やダビデをエルサレムにとどめ、もはや家に帰そうとはしませんでした。
5. ダビデは王の特別補佐官として、いつも任務を完全に果たしました。 それでとうとう、軍の指揮官に任命されたのです。 この人事は、軍部からも一般からも、大いに喜ばれました。
6. ところで、ダビデがゴリヤテを倒したあと、勝ち誇ったイスラエル軍が意気揚々と引き揚げて来た時、ちょっとしたことが起こったのです。 あらゆる町々から沿道にくり出した女たちが、サウル王を歓迎し、タンバリンやシンバルを鳴らして、歌いながら喜び踊りました。
7. ところが、女たちが歌ったのはこんな歌でした。「サウルは千人を殺し、ダビデは一万人を殺した!」
8. これを聞いて、王が腹を立てないはずはありません。 「何だと。ダビデは一万人で、このわしは千人ぽっちなのか。 まさか、あいつを王にまつり上げる気じゃなかろうな。」
9. この時から、王の目は、ねたみを帯びてダビデに注がれるようになりました。
15-16. サウル王はますますダビデを恐れるようになりました。 イスラエルとユダの人々はみな、ダビデを支持しました。 ダビデが国民の側に立って行動したからです。
17. ある日、王はダビデを呼んで言いました。 「わしはおまえに、長女のメラブをやってもよいと思っておる。 そのためにまず、神様の戦いを勇敢に戦い、真の勇士である証拠を見せてくれ。」 王は内心、「ダビデをペリシテ人との戦いに行かせ、敵の手で殺してしまおう。 わしの手を汚すまでもない」と考えたのです。
18. ダビデは答えました。 「私のような者が王家の婿になるなど、とんでもございません。 父の家系は取るに足りません。」
19. ところが、いよいよ結婚という段になると、王は娘メラブをメホラ人のアデリエルと結婚させてしまいました。
20. そうこうするうち、別の娘ミカルが、ダビデを恋するようになったのです。 それを知って喜んだのは王でした。
21. 「しめしめ。 あいつをペリシテ人の手で殺す機会が、また巡って来たわい」とほくそ笑みました。 さっそくダビデを呼びつけると、「今度こそ婿になってくれ。 末の娘をやろう」と言いました。
22. 一方サウル王は、ダビデにこう勧めるよう、家来たちにひそかに命じました。 「陛下はあなたを大そうお気に入りですよ。 わしらもみな、あなたを慕っております。 お申し出を受けて、婿になられたらいいじゃありませんか。」
23. ダビデは答えました。 「私のように名もない家の貧しい者は、逆立ちしたって、王女様を妻に迎えられるほどの仕度金は用意できませんよ。」
24. 家来たちがこのことを報告すると、
25. 王は答えました。 「ダビデに伝えてくれ。 わしが望んでおる仕度金は、ペリシテ人を百人殺して来ることだ。 敵に復讐してくれることこそ、わしの望みだ、とな。」 しかし、王の本心は、ペリシテ人との戦いでダビデが戦死するのを期待していたのです。
26. ダビデはこの申し出に喜びました。 そこで、期限がくる前に、
27. 部下を率いて出陣し、ペリシテ人二百人を殺して、その包皮を王に差し出したのです。 これでは、ミカルを与えないわけにはいきません。
28. 王は、神様がダビデとともにおられること、また、ダビデがどれほど民衆の信望を集めているかを、いやと言うほど思い知らされ、