サムエル記上 14:36-47 リビングバイブル (JLB)

36.  それからサウルは、「さあ、夜通しペリシテ人を追い詰めて、最後の一人まで、滅ぼしてしまおうじゃないか」と気勢をあげました。従者たちは、「それはいいですな。 お考えどおりにいたしましょう」と答えました。ところが祭司が、「まず、神様におうかがいを立ててから……」と口をはさんだのです。

37.  そこでサウルは、「ペリシテ人を追うべきでしょうか。 敵を打ち負かすのをお助けいただけますか」と、神様の前に答えを請いました。 しかし、夜が明けても、何の返事もありません。

38.  そこで指導者たちを集め、「何かまずいことがあったんだ。 本日ただ今、どんな罪が犯されたのか、はっきりさせる必要がある。

39. イスラエルを救ってくださった神様の御名にかけて誓う。 罪を犯した者は即刻死刑だ。 たとい息子ヨナタンであろうとな。」 しかし、だれも真相を語ろうとしません。

40.  そこでサウルが、「ヨナタンと私はこちらに、おまえたちはみなあちらにと、両側に分かれて立ってみよう」と提案し、一同はそれに応じました。

41.  サウルは祈りました。 「ああ、イスラエルの神様、なぜ、私の問いにお答えいただけなかったのでしょう。 何か責められるべき点があるのでしょうか。 ヨナタンか私に罪があるのですか。 それとも、ほかの者が悪いのですか。 神様、罪を犯したのはだれか、はっきりお示しください。」 こうして、聖なるくじを引くと、ヨナタンとサウルの側に当たりました。 これで、ほかの者は無罪です。

42.  サウルは続けて、「私とヨナタンとでくじを引こう」と言いました。 その結果は……、もちろんヨナタンが有罪です。

43.  サウルはヨナタンに詰め寄りました。 「何をしでかしたのだ、白状しろ。」「ちょっと蜜をなめたんです。 杖の先につけて、ほんの少し。でも、私は死ななければなりません。」

44.  「そうだ、ヨナタン。 おまえは死ななければならない。 もしこの罰から逃れようとでもしようものなら、神様が私を、死ぬまで打ちたたいてくださるように。」

45.  ところが、ほかの人々は納得しません。 「きょうイスラエルを救ったのは、ヨナタン様です。 そのお方のいのちが奪われるなんて、とんでもありません! 神様にかけて誓います。 あの方の髪の毛一本も失われてなるものですか。 きょうの目ざましいお働きは、神様に用いられている証拠ではありませんか。」 こうして、人々がヨナタンを救ったのです。

46.  サウルは全軍を呼び戻したので、ペリシテ人は引き揚げて行きました。 

47. ところで、サウルはイスラエルの王位についてからこのかた、周囲のあらゆる敵、モアブ、アモン人、エドム、ツォバの王たちからペリシテ人に至るまで、軍隊を差し向けて戦いました。 そして、至る所で勝利を収めたのです。 

サムエル記上 14