サムエル記上 14:15-28 リビングバイブル (JLB)

15. 不意をつかれて、ペリシテ軍の全陣営、とりわけ先の侵略部隊は、パニック状態に陥りました。 大地震にでもみまわれたように、恐怖はつのる一方でした。

16.  ギブアにいるサウルの陣営では、見張りの番兵が思いがけない光景を目のあたりにしました。 ペリシテ人の大軍が、うろたえて右往左往し始めたのです。

17.  サウルは、「だれかここから消えた者がいるか調べろ」と命じました。 調べると、ヨナタンと側近の若者がいません。 

18. サウルはアヒヤに、「神の箱を持って来い」と叫びました。 そのころ、この箱はイスラエル国民の間にあったからです。 

19. ところが、サウルが祭司と話している間に、ペリシテ人の陣営の騒ぎは、ますます大きくなります。 サウルは、「早くしろ! いったい神様は、何と言っておられるのだ」とせき立てました。

20.  サウルと六百の兵は、大急ぎで戦場に駆けつけました。 すると、どうでしょう。 ペリシテ人が同士打ちをしており、どこもかしこも収拾がつかない有様です。 

21. それまでペリシテ軍に徴兵されていたイスラエル人も、寝返ってイスラエル側につきました。 

22. ついには、山地に隠れていた者まで、ペリシテ人が逃げ出すのを見て、追撃に加わりました。 

23. こうして、この日、神様はイスラエルを救ってくださったのです。 もっとも、戦闘はベテ・アベンに場所を移して、まだ続いていました。

24-25. ところで、サウルはこう命じていました。 「夕方まで、すなわち、私が完全に敵に復讐するまで、何も口にするな。 もし食べる者があれば、のろわれる。」 それで、森に入ると地面に蜜ばちの巣があったのに、人々は目もくれず、まる一日、何も食べなかったのです。 

26. サウルののろいを恐れていたからです。 

27. ところが、ヨナタンは父の命令を知りません。 手にしていた杖を巣にちょっと浸して、なめてみました。 すると、体中に力がわいてきたのです。 

28. その時、だれかが耳打ちしました。 「お父上は、きょう、食物を口にする者にのろいをおかけになったのですよ。 ですから、みんなへとへとに疲れているんです。」

サムエル記上 14