サムエル記上 14:11-23 リビングバイブル (JLB)

11.  ペリシテ人は近づいて来る二人の姿を見かけると、「見ろ! イスラエル人が穴からはい出て来るぞ!」と叫びました。 

12. そしてヨナタンに、「さあ、ここまで来い。 痛い目に会わせてやるぞ!」と大声で呼びかけたではありませんか。ヨナタンはそばの若者に叫びました。 「さあ、あとから登って来い。 神様が私たちを助けて、勝利をもたらしてくださるぞ!」

13.  二人は手とひざでよじ登りました。 ペリシテ人がしりごみするところを、ヨナタンと若者は右に左に切り倒しました。 

14. このとき殺されたのは約二十人で、一くびきの牛が半日で耕す広さの所に死体が散乱しました。 

15. 不意をつかれて、ペリシテ軍の全陣営、とりわけ先の侵略部隊は、パニック状態に陥りました。 大地震にでもみまわれたように、恐怖はつのる一方でした。

16.  ギブアにいるサウルの陣営では、見張りの番兵が思いがけない光景を目のあたりにしました。 ペリシテ人の大軍が、うろたえて右往左往し始めたのです。

17.  サウルは、「だれかここから消えた者がいるか調べろ」と命じました。 調べると、ヨナタンと側近の若者がいません。 

18. サウルはアヒヤに、「神の箱を持って来い」と叫びました。 そのころ、この箱はイスラエル国民の間にあったからです。 

19. ところが、サウルが祭司と話している間に、ペリシテ人の陣営の騒ぎは、ますます大きくなります。 サウルは、「早くしろ! いったい神様は、何と言っておられるのだ」とせき立てました。

20.  サウルと六百の兵は、大急ぎで戦場に駆けつけました。 すると、どうでしょう。 ペリシテ人が同士打ちをしており、どこもかしこも収拾がつかない有様です。 

21. それまでペリシテ軍に徴兵されていたイスラエル人も、寝返ってイスラエル側につきました。 

22. ついには、山地に隠れていた者まで、ペリシテ人が逃げ出すのを見て、追撃に加わりました。 

23. こうして、この日、神様はイスラエルを救ってくださったのです。 もっとも、戦闘はベテ・アベンに場所を移して、まだ続いていました。

サムエル記上 14