4. 使者がサウルの住むギブアの町に駆けつけ、苦境を訴えると、だれもかれも声をあげて泣きだしました。
5. そこへ、畑を耕しに行っていたサウルが戻って来て、「いったい、どうしたんだ。 なぜ、みんな泣いているのか」と尋ねました。人々はヤベシュからの知らせを伝えました。
6. その時、神様の霊が激しくサウルに下ったのです。 サウルは満身を怒りに震わせ、
7. 二頭の雄牛をつかまえるや、それを切り裂き、使者に託して、イスラエル中に送りました。そして、「サウルとサムエルに従って戦うことを拒む者の雄牛は、こんな具合にされるぞ」と言い送りました。 神様が人々にサウルの怒りを恐れさせたのでしょう、皆、いっせいに集まって来たのです。
8. ベゼクでその数を調べると、イスラエルから三十万人、さらにユダから三万人が加わっていることがわかりました。
9. そこでサウルは、使者をヤベシュ・ギルアデに送り帰し、「あすの昼過ぎまでには、助けに行くぞ」と告げさせたのです。 この知らせに、どれほど町中が喜びにわき立ったことか!
10. ヤベシュの人々は、敵にこう通告しました。 「降伏いたします。あす、あなたがたのところへまいりますから、どうぞお気のすむようになさってください。」
11. 翌朝はやく、サウルはヤベシュ・ギルアデに駆けつけ、全軍を三隊に分けて、アモン人を急襲し、午前中にほとんど全員を打ち殺してしまいました。 残った者たちも散り散りばらばらになり、二人の者が共に残ることさえありませんでした。
12. その時、人々はサムエルに言いました。 「サウルなんかわれわれの王じゃない、などとほざいた連中は、どこでしょうか。 引っぱり出してください。 息の根を止めてやります。」
13. しかし、サウルは答えました。 「きょうはだめだ。 この日、神様はイスラエルを救ってくださったのだから、だれをも殺してはならん。」