11. そのことを聞いたサウルの友人たちは、「どうしたんだ。 あのサウルが預言者だって?」とびっくりしました。
12. 居合わせた近所の人も、「父親もあんなふうだったかい」とささやきました。 そういうわけで、「サウルも預言者なのか」ということばが、ことわざのようになったのです。
13. サウルは預言を終えると、丘の祭壇へと登って行きました。
14. おじが、「いったい、どこへ行っていたんだ」と聞きました。「ろばを捜し回ってたんですが、見つからないので、サムエル様のところへ、ろばの居場所をうかがいに行ったんです。」
15. 「おや、そうかい。 それで何と?」
16. 「ろばはもう見つかった、とおっしゃいました。」 ただし、自分が王として油を注がれたことは、黙っていました。
17. さて、サムエルは全イスラエルをミツパに召集し、
18-19. イスラエルの神様のことばを伝えました。 「わたしはおまえたちをエジプトから連れ出し、エジプト人、および、害をもたらすすべての国民の手から、救い出してやった。 ところがどうだ。 こうまで尽くしてやったわたしを退け、『それより、王様が欲しいのです!』と叫びおる。 よろしい。 さあ、部族ごとに、また家族ごとに、わたしの前に出るがよい。」
20. サムエルは、神様の前に部族の指導者を整列させました。 聖なるくじで、まず、ベニヤミン部族が選ばれました。
21. ベニヤミン部族を、氏族ごとに神様の前に出させたところ、マテリの氏族が選ばれました。 こうしてついに、キシュの子サウルを選び出したのです。ところが、どこを捜しても、サウルの姿は見あたりません。
22. 人々は神様に、「いったいサウルは、どこへ行ったんでしょう。 ここに来ているのですか」と尋ねました。神様は、「見なさい。 荷物の陰に隠れている」とお答えになりました。
23. 人々はさっそく、彼を連れ出しました。 サウルが立つと、だれよりも肩から上だけ高いのが目立ちます。