14. 「酔っ払っているんだろう。 早くさましなさい。」
15-16. 「とんでもございません、祭司様。 酔ってなんぞおりません。ただ、あんまり悲しいので、胸のうちを洗いざらい神様に申し上げていたのです。 どうか、酔いどれ女だなどとお思いにならないでください。」
17. 「そうか、よしよし。 元気を出しなされ。 どんなことかは知らんが、イスラエルの神様が、あんたの切なる願いをかなえてくださるようにな。」
18. 「ありがとうございます、祭司様。」 ハンナは晴れやかな顔で戻って来ると、食事をして元気になりました。
19-20. 翌朝、一家はこぞって早起きし、宮へ行ってもう一度神様を礼拝し、ラマへと帰ったのです。 エルカナはハンナと床を共にしました。すると、神様はハンナの願いを聞いてくださったのです。 やがて男の子が生まれました。 ハンナは「あれほど神様に願った子供よ」と言って、サムエル〔「神様にお願いした」の意〕という名をつけました。