3. エルサレムの町は、まちがいなくバビロニヤ人に占領されるのだ。」
4. これを聞いた四人は王のところへ行き、こう進言しました。 「陛下、あいつを生かしておくわけにはまいりません。 あんなことを言われたら、わずかしか残っていない兵士と民衆の士気は、くじかれてしまいます。 あいつは大の裏切り者です。」
5. 王は同意しました。 「よろしい。 おまえたちの好きなようにせよ。 反対するわけにもいくまい。」
6. そこで彼らはエレミヤを牢から連れ出し、ロープでゆわえて、構内にある空の井戸につり降ろしました。 この井戸は王子マルキヤのものでした。 中に水はありませんでしたが、泥がたっぷりたまっていたので、エレミヤはその中に沈みました。
7. 王の信任の厚い役人でエチオピヤ人のエベデ・メレクは、エレミヤが井戸に閉じ込められたと聞くと、
8. 王が裁きの座についているベニヤミンの門に駆けつけました。
9. 「陛下。 あの四人は、エレミヤを井戸につり降ろすという、大それたことをしました。 町にはもう、パンはほとんどありません。 このままだと、彼は飢え死にします。」
21-22. しかし、あくまで降伏を拒むなら、王宮にいる婦人たちはみな引き出され、バビロン軍の将校たちのものになります。 婦人たちは、陛下を恨み、口ぎたなくののしるでしょう。 『陛下はエジプト人という、すてきな友人をお持ちですこと。 ご覧なさいませ、彼らはみごと裏切り、陛下を悲惨な運命に渡してくれましたわ』というふうに。
23. ご家族はみな、バビロニヤ人の前に引き出されます。 陛下ご自身も同じ目に会います。 陛下はバビロン王に捕らえられ、町は焼け野原になります。」
24. これを聞いた王は、エレミヤに言いました。 「たとい口が裂けても、いま余に言ったことをだれにも話すな。
25. 家来どもが、会見のことを知って、話の内容を教えなければ殺すと脅したら、こう言うのだ。
26. ヨナタンの地下牢にいたら死ぬに決まっているので、そこへ送り返されないよう、王に嘆願したまでです、とな。」
27. 王の推測どおり、まもなく町の役人たちが押しかけ、なぜ王は彼を呼び出したのかと尋ねました。 エレミヤは、王に言われたとおり答えたので、だれにも本当のことはわからずじまいでした。 王との会見を立ち聞きした者はいなかったからです。
28. エレミヤは、エルサレムがバビロニヤ人の手に落ちるまで、牢に閉じ込められたままでした。