1. 神様は宣告なさいます。 わたしは、わたしの国民の羊飼いである指導者に災いを下す。 彼らは、めんどうを見なければならない者を滅ぼし、散らしたからだ。
2. おまえたちは、わたしの群れを安全に導くどころか、置き去りにし、滅びへと追いやった。 わたしは、おまえたちが彼らになした悪のために刑罰を下す。
3. 一方、群れの残りを、わたしが追いやった所から集め、元の牧場に連れ戻す。 彼らは再び子を生んで増える。
4. また彼らの上に、責任感の強い羊飼いを立てる。 彼らは二度とこわがる必要はなく、四六時中、守られるようになる。
5-6. やがて、わたしがダビデの王座に、正義の若枝を置く時がくる。彼は知恵と正義をもって治める王となり、地上のどこにも正しさが行き渡るようにする。 「神様は私たちの正義」というのが、彼の呼び名だ。 その時、ユダは救われ、イスラエルは平和のうちに過ごす。
10. この国は姦通罪に満ちて、神様ののろいがかかっています。 地そのものが嘆き悲しみ、牧草地は茶褐色になっています。 預言者たちは悪に走り、不正を行なうことに精力を注いでいます。
11. 祭司も預言者同様、神様を敬わない悪党ばかりです。 神様は言います。 わたしは神殿の中でさえ下品なことが行なわれるのを見た。
12. そのため、彼らの道は暗くなり、すべりやすくなる。 彼らは暗い危険な小道に追いつめられ、倒れる。わたしは彼らに災いを下し、時がきたら、必ずその罪の罰金を全額支払わせる。
13. わたしは、サマリヤの預言者がお話にならないほど悪いことを知った。 彼らはバアルによって預言し、わたしの国民イスラエルを罪に引きずり込んだからだ。
14. ところが、エルサレムの預言者はもっと悪い。 彼らのしていることは、目もそむけたくなるほどで、姦通罪を犯し、不正を愛している。 悪いことをしている者を罪から引き戻すどころか、反対にほめ、励ましている。 この預言者たちは、ソドムやゴモラの住民のように、徹底して堕落している。
15. そのため、天の軍勢の主は宣告なさいます。 わたしは彼らに苦い物を食べさせ、毒を飲ませる。 彼らがいたばかりに、この国に悪がはびこるようになったからだ。
16. これがわたしの国民への警告だと、天の軍勢の主は告げます。 むなしい希望を与える偽預言者の言うことを、聞いてはならない。 彼らは口から出まかせを言い、わたしのために語ろうとしない。
17. わたしを侮る反逆者たちに、「何も心配することはない。 何もかもうまくいくさ」としきりに言う。 自分勝手な生活をしている者たちには、「平安があると、神様のお告げがありました」と言っている。
18. だが、神のことばを聞けるほど神に近くいる預言者を、ただの一人でもあげることができようか。 彼らのうちの一人でも、神のことばを聞こうと努力しただろうか。
19. このような悪者どもを吹き飛ばすために、わたしは激しいつむじ風を送る。
20. わたしの恐ろしい憤りは、刑罰を余すところなく下すまでは、やまない。 後日、エルサレムが敵の手に落ちた時、おまえたちはわたしの言ったことを認めるようになる。
21. わたしはこんな預言者を遣わした覚えはないのに、彼らはわたしのために語っているのだと、大きな口をたたく。 わたしは彼らに何も言わなかったのに、自分たちの預言がわたしのものだと言いはる。
22. もし彼らがわたしの預言者なら、わたしの国民を悪の道から立ち返らせようと努力しただろうに。
23. このわたしは一個所だけに閉じ込められていて、彼のしていることが見えないような神だろうか。
24. 人はわたしから姿を隠せるだろうか。 わたしは、天にも地にも、どこにでもいるではないか。
25. 「ゆうべ、神様からの夢を見た。 まあ、その話を聞いてくれ」と、彼らは言う。 こうして、わたしの名をかたって嘘を並べるのだ。
26. こんなことが、いつまで続くのか。 仮に彼らが「預言者」だと言うなら、彼らは偽預言者で、自分たちの言うことをみな発明していることになる。
27. わたしが見せたのでもない夢を得々と説明することによって、バアルの偶像礼拝に転向していった先祖のように、わたしの国民にわたしを忘れさせようとしている。
28. こんないんちき預言者は、夢物語にうつつを抜かすままにしておけ。 だがわたしの本物の使者は、わたしのことばを残すところなく忠実に語る。 両者の間には、麦ともみがらほどの差がある。
29. わたしのことばは、火のように燃えないだろうか。 それは、岩でさえ粉々に砕く巨大なハンマーではないか。
30-31. わたしは、お互いに語ることを知らせ合っている、これらの「預言者」に立ち向かう。 口あたりのよいことを言う預言者どもは、「このお告げは神様からのものだ」と言う。
32. 彼らが知恵をしぼって考え出した夢は、わたしの国民を罪へ誘い込む、まことしやかな嘘で固まっている。 わたしは彼らを遣わさなかったし、彼らには、わたしの国民に告げることなど少しもない。
33. 国民の一人、または「預言者」か祭司の一人が、「ところでエレミヤさん。 きょう神様から聞いたという悲しいニュースって何ですか」と尋ねたら、こう答えてやれ。 「どんなニュースを聞きたいのか。 おまえたち自身が悲しいニュースだ。 なにしろ、神様がおまえたちを捨てたのだから。」
34. 「きょうの神様からの悲しいニュース」などと悪ふざけをする偽預言者、祭司、国民がいたら、わたしは彼らとその家族を罰する。
35. 「神様はどんなことをお語りになりましたか」と尋ね合うのはよい。
36. だが、「神様からの悲しいニュース」と言ってはならない。 悲しいのは、おまえたち自身のこと、おまえたちが平気で嘘をつくことにほかならないからだ。 おまえたちはわたしのことばを曲げ、わたしが言いもしない「神様のお告げ」を発明している。
37. おまえたちは、「神様からどんなお告げがありましたか。 神様は何と言われましたか」と、尊敬を込めてエレミヤに尋ねるべきだ。
38-39. だが、わたしの警告を無視して、「きょうの神様からの悲しいニュース」について聞こうとすれば、神であるわたしは、重荷となっているおまえたちを捨てる。 おまえたちと、おまえたちの先祖に与えたこの町を、共にわたしの前から放り投げる。
40. わたしはおまえたちの恥をさらすので、おまえたちの名はいつまでも鼻持ちならないものとなる。