1. すると神様は、こう私にお語りになりました。 たといモーセとサムエルがわたしの前に立ち、この国民のために嘆願しても、わたしは彼らを助けない。 彼らのことなど放っておけ。 わたしの目の届かない所へ追っ払え。
10. その時、エレミヤはこう言いました。 「お母さん、なんてことでしょう。 こんな悲しい思いをするくらいなら、生まれてすぐ死んでいたらよかったのに。 どこへ行っても、私は憎まれ者です。 やかましく返済を迫ったことも、人から借りた物を返さなかったこともないのに、だれもかれも私をのろいます。
11. 彼らがのろうままにしておこう。 神様。 あなたは、敵対する彼らのために私がどんなにとりなし、どんなにその助命を嘆願したかをご存じです。」
12-13. 北の国の鉄や青銅のかんぬきは、どのようにしてもこわれない。同じように、この国民の強情な心も、砕くことはできない。 わたしへの罪のために、おまえたちの富と財宝を戦利品として敵に与える。
14. 敵がおまえたちを捕虜とし、おまえたちの知らない国へ連れて行くにまかせる。 わたしの怒りは火のように燃え上がり、おまえたちを焼き尽くす。
15. これに答えて、エレミヤが言いました。 「神様。 私がこんなに苦しんでいるのは、神様のためであることをご存じですね。 神様のおことばを伝えたので、人々は私を迫害します。 どうか、彼らの手にかかって殺されるようなことがありませんように。 私を彼らの強い力から救い出し、彼らにふさわしい罰を加えてください。
16. 神様のおことばは、私をしっかり支えます。 それは、ひもじい私のたましいにとっての食べ物です。 私の重い心に喜びをもたらし、有頂天にさせてくれます。 神様。 私は、神様の預言者にされたことを誇りに思います。
17-18. 私は、笑いさざめく彼らの宴会に列席しませんでした。 神様の御手のもとに一人で座っています。 彼らの罪への憤りで、心は張り裂けんばかりです。 ところが神様は、いざという時に私を見殺しにしたのです。 迫害をやめさせてはくださいませんでした。 彼らは、私に害を加える手を、ただのひと時も止めないのでしょうか。 神様の助けは、ある時は水があふれ、ある時は干上がってしまう谷川のように、あてになりません。」