22. シェバとラマの商人は、いろんな種類の香料、宝石、金を持って来た。
23. カランとカネ、エデン、アッシリヤ、キルマデも、それぞれの製品を持って来た。
24. 青色の着物、刺繍品、よく撚った太ひもでしっかり織り上げた多彩な敷き物など、最上質の織物類だった。
25. タルシシュ船団は、おまえが雇った海のキャラバン隊だ。おまえの島の倉庫はあふれるばかりだ。
26. だが今、おまえの政治家たちはツロ丸を嵐の真っただ中にこぎ出した。 激しい東風に、さすがの巨船もぐらつき、海の真ん中で難破する。
27. すべてのものが海のもくずと消える。 財宝も商品も、船員も水先案内人も、船大工も商人も兵隊も、すべての人が、ツロの壊滅の日に、海の底に沈む。
28. 恐怖におののく水先案内人の叫び声に、近隣の町々は震え上がる。
29-30. 海に出ていた船員が上陸し、本土の岸に立って見回しながら大声で泣き、頭にちりを振りかけ、灰の中をころげ回る。
31. 悲しみのあまり頭をそって丸坊主となり、荒布をまとい、おまえのために心を痛めて、泣きくずれる。
32. 彼らは悲しみの歌をうたう。 『海の真ん中で滅ぼされたツロのように不思議な町が、世界のどこにあったろうか。
33. おまえの商品は多くの国の人々の欲望を満足させた。 地の果てに住む王たちも、おまえが送った財宝を喜んだ。
34. だが今、おまえは海の底に横たわっている。 すべての商品も、それを運ぶ船員もみな、おまえとともに沈んでしまった。
35. 沿岸に住む者はみな、わが目を疑い、立ちすくんでいる。 王たちも、おびえた表情でじっと見つめている。
36. 他国の商人も、おまえがたどった運命の恐ろしさに、頭を振って考え込んでいる。 おまえは永久に滅び去ったのだ。』」