2. 「ちりの子よ。 ツロはエルサレムの滅亡を喜んで、『それ見たことか。 エルサレムは地中海沿岸と、ヨルダン川沿いの南北に通じるドル箱の通商路を手中におさめていたが、ついに打ち破られた。 今度はおれ様の出番だぞ。 エルサレムが廃墟になったので、おれ様が金持ちになれるのだ』と言いおった。
3. だから、神様はこうお語りになります。 ツロよ。 わたしはおまえを攻める。 波が打ち寄せるように、たくさんの国が次から次へと攻め寄せる。
4. 彼らはツロの城壁を破壊し、やぐらを倒す。 わたしは、その土をけずり取って、そこを裸の岩にしよう。
5. 島には、住む人もなく、ただ漁師が網をしかける場所となる。 これを語ったのはわたしであると、神様が言います。 ツロは多くの国のえじきとなるのだ。
6. 陸地にあるツロの町も剣によって滅びる。 その時、彼らはわたしが神であることを知る。
7. 神様はこうお語りになります。 北から、王の王であるバビロンの王ネブカデネザルを連れて来よう。 彼は騎兵と戦車の大軍を率いて、ツロに攻め寄せる。
8. まず、周辺の村々を攻略し、それから陸地の町を包囲してとりでを築き、盾を屋根のように掲げて攻撃する。
9. 城壁破壊用の武器で城壁を突きくずし、大槌をふるってとりでを粉砕する。
10. 騎兵隊の巻き上げる土煙で、町中は息もつけない有様となろう。 打ち破られた城内から、戦車を引いて疾駆する馬の地響きに、城壁は震え上がるだろう。
11. 騎兵たちが町の通りにひしめき、おまえの住民を片っぱしから殺して回る。 あの名高い、大きな柱も倒される。
12. 財宝も商品も残らず略奪され、城壁も打ちこわされる。 快適な家は取りこわされ、石も木も、そしてちりまでも、海に投げ捨てられる。
13. わたしは、おまえが歌うのをやめさせる。 もう竪琴の音も聞こえなくなる。
14. おまえの島を裸岩とし、漁師たちが網をしかける所とする。 おまえは二度と建て直されることはない。 神であるわたしが言うのだから間違いない。