4. おまえが生まれた時、だれも面倒を見てくれなかった。 へその緒も切ってもらえず、裸のまま、うぶ湯にも入れてもらえず、うぶ声もあげられずに放置されていた。
5. 目をかける人もなく、かわいそうに思って世話をしてくれる人もなかった。 生まれたその日に、野原に捨てられ、死ぬばかりだった。 おまえなんか、いらない子だったのだ。
8. しばらくして、おまえのそばを通りかかると、結婚できる年ごろになっていた。 そこで、わたしの衣でおまえを包み、結婚の誓いをした。 誓約を交わして、おまえはわたしのものとなった。
30-31. そこで、神様はお語りになります。 こんなことをするおまえの心は、なんと汚れていることよ。 道という道に、売春宿である偶像の祭壇を築き、ずうずうしく淫行を重ねている。 おまえは、売春婦よりも悪い。 金を得るためでもなく、ただ悪にふけるために、そうしているからだ。
32. おまえは夫以外の男たちと同棲する不貞の妻だ。
33-34. 売春婦は報酬を得るために働いている。 それで、男たちは多くの贈り物をする。 ところがおまえときたら、自分のほうから贈り物をして、自分のところへ来てくれるようにと、男たちを買収している。 売春婦とは全く反対のことをしているのだ。 だれもおまえなんか求めないから、自分から報酬を払わなければならなかったのだ。
35. ああ、ふしだらな女よ、神のことばを聞け。
36. 神様はこうお語りになります。 わたしはおまえの汚れた罪、偶像礼拝という姦淫の罪、わが子をいけにえとして神々にささげたことなどを見てきた。
37. その報いとして、このようにする。 おまえが愛した者であろうと、憎んだ者であろうと、とにかくおまえと同罪の愛人、つまりおまえの同盟国すべてを集め、彼らの見ている前で、おまえを裸にする。
38. おまえを殺人犯、また、不貞を働いた女として罰する。
39. おまえの愛人である多くの国々の手で、おまえを滅ぼす。 彼らはおまえが建てた売春宿や偶像の祭壇を打ちこわし、着ている物をはぎ取り、美しい宝石を奪い取り、丸裸にし、さんざん辱しめる。
40-41. 彼らは家々を焼き払い、大ぜいの女の見ている前でおまえを罰する。 わたしは、おまえが他の神々と姦通することをやめさせる。おまえが同盟国にこびて報酬を支払うようなこともやめさせる。
42. その時ようやく、わたしはおまえに対する激しい怒りを静め、ねたみを水に流し、平静になる。 もう怒ったりしない。
43. だがまず、おまえが犯したすべての罪を徹底的に罰する。 おまえは若いころに受けた恵みを忘れ、これらすべての悪事を働いて、わたしを怒らせたからだ。 これは神様がお語りになるのです。 おまえは悪事を重ねるばかりか、感謝することも忘れている。
44. 『あの母親にして、この娘あり。』 みんながおまえのことを、こう言っている。
45. おまえの母親は夫と子供をきらったが、同じことをおまえもしている。 姉妹とも似たり寄ったりだ。 彼女たちも夫や子供をないがしろにした。 だから、おまえの母はヘテ人、父はエモリ人だったに違いない。
46. おまえの姉サマリヤは、娘といっしょに北に住み、妹ソドムは、娘といっしょに南に住んでいる。
47. もっとも、おまえは二人のようには罪を犯さなかった。 いや、無関係と言ってよいくらいだった。 それが、あっという間に、二人をはるかにしのぐほど堕落してしまったのだ。
48. 神様はお語りになります。 ソドムとその娘たちは、おまえやおまえの娘たちほどのしたたか者では、断じてなかった。
49. 妹ソドムとその娘たちの罪とは、貧乏人が飢えて苦しんでいるのを見ながら、思い上がり、安逸をむさぼり、腹いっぱい食べていたことだ。
50. 彼女たちはわたしの見ている前で、無礼にも多くの偶像を拝んでいた。だから、わたしは彼女たちを滅ぼしたのだ。