10. 「まだ働き盛りだというのに、いっさいをあきらめなければならないのか。 これからの歳月は奪い取られ、よみの門に入ろうとしている。
11. もう二度と、生きている人の国で神様を見ないだろう。この世で友人の顔を見ることもない。
12. 私のいのちは、羊飼いのテントのように風で吹き飛ばされ、機を織る人が中途で手を止めるように中断された。 私のいのちは、たった一日で消えていく。
13. 私は夜通しうめいた。 まるでライオンに引き裂かれるような苦しみだ。
14. 私は錯乱状態になり、雀のようにさえずり、鳩のようにうめいた。 助けを求めて上を見続けていたので、目はすっかりかすんでしまった。 私は叫んだ。 『神様、助けてください。 苦しくてたまりません。』
15. しかし、ほんとうはこんなことを言えた義理ではない。 私を病気にしたのは神様なのだから。 苦しさのあまり眠ることもできない。
16. 神様、あなたの懲らしめはためになり、いのちと健康に通じます。 どうか病気を治し、私を生かしてください。
17. 今やっとわかりました。 こんな苦しい経験も、みな私のためだったのです。 それというのも、神様が愛をもって私を死から救い出し、いっさいの罪を赦してくださったからです。
18. 死人は神様を賛美できません。 死んでしまえば希望も何もありません。
19. 生きていてこそ、きょうの私のように、神様を賛美できるのです。 神様の真実は父から子へと代々語り継がれます。
20. ああ、神様は病気を治してくださった。 これからは毎日、いのちある限り、神殿で楽器の伴奏つきで賛美しよう。」
21. イザヤは王の召使に、「いちじくで塗り薬をつくり、はれものに塗りなさい。 そうすれば、陛下は元どおり元気になられます」と言いました。
22. するとヒゼキヤは、「病気がきっと治る保証として、神様はどんなしるしをお与えになりますか」と尋ねました。