7. やっと今、全地は静けさを取り戻し、ひと息いれることができます。 世界中の人の口に喜びの歌がのぼりました。
8. 糸杉やレバノン杉のような森の木でさえ、うれしそうに声を張り上げて歌います。 「バビロンは骨抜きになった。 もうだれにも煩わされない。 やっと平和になった。」
9. あなたが地獄の門に着くと、そこの住民はこぞって迎えに出ます。 ずっと前に死んだ世界の指導者や大王たちも会いに来て、
10. 声をそろえて叫びます。 「やあ、とうとうあんたも、われわれのように弱くなったな。」
11. あなたの権力は失われ、あなたとともに葬られます。 あなたの宮殿で聞かれた、浮き浮きするような音楽もとだえ、うじがシーツ、虫けらが毛布の代わりです。
12. 暁の子、ルシファー(天使)よ、どうして天から落ちたのか。 世界に並ぶ者のない権力者だったのに、どうして切り倒されたのか。
13. それは、心の中でこううそぶいたからです。 「天にのぼり、最高の王座について、御使いたちを支配してやろう。 北の果てにある集会の山で議長になりたい。
14. 一番上の天にのぼって、全能の神様のようになってやろう。」
15. ところが、実際は地獄の深い穴に落とされ、しかも底の底まで落とされます。
16. そこにいる者はみな、あなたをまじまじと見つめて言うでしょう。 「ほんとにこの人が、世界中の王国を縮み上がらせた当人だろうか。
17. 全世界を足の踏み場もないまでに破壊し尽くし、大都市を瓦礫の山とし、捕虜に少しもあわれみをかけなかった当人だろうか。」
18. 国々の王は、りっぱな墓に手厚く葬られています。
19. しかしあなたの体は、折られた枝のように放り出されるだけです。 戦場で殺された兵士の死体といっしょに、口を開いたままの墓に投げ込まれ、道ばたに転がる死体のように、馬のひづめにかかり、無残に引き裂かれます。
20. 自分の国を滅ぼし、自分の国民を虐殺したのだから、記念碑は建ててもらえません。 あなたの子は王位を継げません。